HappinessmitH

考えた事や感じたことは言葉にして残しとかないと忘れちゃうんですよね~

関数

 数Ⅰや数Ⅱ、数Ⅲを習った事があるだろうか。筆者とそんなに大きく年が離れていない限りは、高校を卒業している人なら全員数Ⅰと数Ⅱは習ったことがあるはずである。ちなみに筆者は東大前期入試が終わった後、Z会の後期入試対策用の授業(文系対象)で原理をすっ飛ばして数Ⅲをかじらされた。あの時の講師は非常に歯がゆかっただろう。自分もバイトで個別塾講師をやっているが、入試までの時間や授業時間の都合上、やむなく本質をすっ飛ばして英語の解法を暗記させてしまうことがありその時は知性が何かに敗北したように感じる。

 

 さて、筆者は中高一貫だったので今から書くことはこのバイトを始めてから知ったのだが、公立の教育課程では中学校で一次関数、高校の数Ⅰで二次関数を習うらしい。自分の場合は中三で二次関数を学んだような気がする。おそらくそれが原因で、自分の中で「公立中学での数学の範囲」と「数Ⅰの範囲」が全然区別できておらず正直今でも曖昧模糊である。センター試験で受験した数学の科目は「数Ⅰ・A」と「数Ⅱ・B」だったが、数Aは確率と平面図形、数Ⅱは三角関数微積、数Bはベクトルと数列、そして数Ⅰは分野として名前を付けるに値しない、他の科目のための基礎としてしか存在価値のないつまらない内容、と認知していたほどだ(でも同じような人は多いんじゃないだろうか)。二次関数しか記憶がない。あとデータの計量みたいなやつもだっけ。とりあえず、高校数学の科目別の範囲の正解を拾ってきたので見てみよう。

 

数1:数と式,集合と論理,二次関数,図形と計量,データの分析
数A:場合の数と確率,整数の性質,図形の性質
数2:方程式・式と証明,図形と方程式,三角関数,指数関数・対数関数,微分積分
数B:数列,ベクトル,(確率分布と統計的な推測)
数3:平面上の曲線複素数平面,関数と極限,微分微分の応用,積分とその応用
数C:削除

 数Ⅰについて、数と式はそれこそさっき言った基礎としての存在価値しかないゴミ分野だが(「かずとしき」を変換したら「和俊樹」になってなんかワロタ)、あー集合ね。あれ、図形って全て数Aじゃなかったっけ?どこで線引きしてるのか全然意識したことなかったな。整数の性質・・・なんだこれ?modは確か中学受験だった気がするから違うよね。ところでメネラウス・チェバって中学の範囲だっけ?数Ⅱは指数対数があったね。影が薄すぎて忘れていた。

 

 あまりにも整数の性質が気になったので、載せる。

 

整数の除法

整数の割り算の復習
約数と倍数
割り算の一意性
最大公約数と最小公倍数

最大公約数と最小公倍数とは何か
互いに素な数の性質
ユークリッドの互除法
素数

素数とは何か
素数の性質
素因数分解
素数の個数
不定方程式の整数解

ax+by=0
ax+by=0
の整数解
ax+by=1
ax+by=1
の整数解
積の形の不定方程式

  まあやっぱり割り算関係の話だよね。うん、やったような記憶はある。でもちゃんとやった記憶がない。学校ですごい雑に扱われた気がする。まあどうでもいいや。あと輪をかけてどうでもいいんだけど除法って聞くとどうしてもインドのジョホールという地名だか王朝だかの名前が脳裏によぎってしまう。これもどこで勉強したか忘れた。世界史か地理のはずだがたぶん世界史だと思う・・・。

 今書いてて気づいたんだけど、自分の知識の出典って、すごい曖昧になってる。いや別にそうなることで全く実害はないと思うんだけど、なんか面白いな。

 

 筆者が数Ⅰを一つの科目として全くリスペクトしていない理由はもう一つある。数Ⅰのメインディッシュとも言える二次関数。これ、数Ⅱで微積を学んだあとであれば「n次関数(nは非負の整数)」という大きなカテゴリの中の一分野として完全に埋没してしまうのだ。n次整数関数は(n-1)次の方程式を解ければ増減表から関数全体の様子が見えるが、筆者は(少なくとも文系高校生にとっては)これこそが関数把握の醍醐味であり全てだと考えている。だから、もし年齢相応の理解力や学習の段階という観点を無視し、知識の範囲として比較的綺麗に区切れるという観点から考えるのであれば、「関数」という科目を設定し、その中にn次関数・三角関数・指数対数関数・その他の関数・微分積分というように範囲分けするのが望ましいと思う。実際筆者が受験生の時の脳内では概ね上の様な区分で整理していた。そして、それ以外の分野として確率・図形・ベクトル・数列・その他がある・・・数ⅡBまで学んだ後では、このように区分けするのが最もスッキリしないだろうか?何が言いたいかというと、(おそらく数Ⅲを含めて考えても)、高校数学において「関数」という概念は物凄い比重を占めている訳である。ぶっちゃけ、上で述べた確率などの関数以外の分野を全て「その他の分野群」としてまとめてもいいくらいだと思っている。

 筆者が初めて増減表を書いて関数の形を把握したとき、それはそれは感動した。同時に、こんなに汎用性が高く、特別に賢いわけでもない人間にも十分使いこなせる微分という概念を発明したライプニッツは本当に偉大な人間だと思った。今でもただそれだけの理由で心から尊敬している。

 

 筆者は経済学部なので、高校修了後大学でも少しだけ数学を勉強した。後期試験用に少しかじっていた数Ⅲの範囲をもう少しきちんと勉強したのと、割と真面目に統計を勉強したのと、行列の基礎だ。数Ⅲの部分は大学では微分積分というくくりで説明されることが多いが、やはり関数把握というカテゴリにぶちこめるので一応親しみがあった。統計と行列は全く触れたことがなかったが、素人ながらどちらもめちゃくちゃ奥深く実用的なんだなということが分かった。

 このうち、学部の授業を取っていて筆者が最も(というかほぼ唯一)他の授業で使うことが多かったのは微積だ。経済学部の授業ではよく効用関数というものを設定し、いくつかの都合の良い仮定に基づき、一階微分を経て最適な独立変数を特定する。やはり微分は便利だ。

 筆者はここでよく思う。現実世界でも、あらゆる変数について効用を最大化する最適な値を弾き出せればよいのに、と。

 

 経済ではなるべく現実に近似している(と思われる)数理モデルを仮定しそれに基づいて計算をする。その結果、個人の効用を最大化するには何を何個買えばいいとか都心から何キロのところに住めばいいとかが判明する。しかし、言うまでもないが現実世界における我々の効用を関数で記述することは不可能に近い。まず、何が変数なのかが分からない(それが膨大な数あるということだけは分かるが)。また、仮に変数が分かったとしても精確な関数形が全く分からない(そして、おそらくその関数はアナログ的に変化し続けている)。これでは効用を最大化する変数の値など分かるはずもない。筆者が感動した微分という概念は、現実に自分を幸せにする上で、登場する出番さえ与えられなかったことになる。全く、嘆息するほかない。

 

 やはり、人生はある程度帰納的に幸せを探求するべきなんだと思う。というか、実際それしか手立てがない。もし自分の効用関数が分かるのであれば、演繹的に変数を特定しまくることで最大レベルの幸せを得ることが出来る。筆者は昔、どこか理性偏重主義なところがあったので、(関数という概念を知る遥か前から)ひたすら勉強して賢くなることで人生に降りかかるあらゆる大小の諸問題について最適解を与え幸せになることが出来るばかりか、地球上のあらゆる未解決の難題はいつか全て解決できる、と本気で思っていた。当然だがそんなことはあり得ない。いや、寿命が3億年くらいあればそのような状態に近似することは出来るのかもしれないが、100年あるかないかの寿命ではまず無理だ。

 だから、やはり手探りで「とりあえず~をやってみたら上手く行った!楽しかった!嬉しかった!幸せになった!」といえるような事物をなるべくたくさん追い求めるしかないのだとおもう。これはまさに、数列で数学的帰納法を使って「~じゃね?と思ってやってみたら上手くはまった」という作業と同じではなかろうか。そうやって幸せになるために手探りで見つけていった要素から適度に普遍的に自分の効用を高めるメソッドを見つけていく。帰納的。もちろん、できる範囲で演繹的に思考することは、効率的に時間を使う上で欠かせない作業だ。このハイブリッドな生き方が良いのだろう。

 

 今日の話はこれで終わりますが、次回以降の3回は各回「関数に感動」「理性偏重主義」「幸せの探求」という、今日出てきたそれぞれのキーワードと関連のあるお話をしたいと思っています。

 

 最後に今日の曲(笑)。考えすぎて出口の見えなくなることってありますよね。それって人生について過剰に演繹的になってしまっている時だと思うんですよ。そんな時、「もっと現実に流されるままに生きていいんだ」って感じることができる曲です(というかこのアルバムは全曲通してそんな感じで、筆者は大好きです。本当に捨て曲が一曲もない素晴らしい出来で世間的にも非常に高い評価を受けているので、気になった方は是非聞いてみてください。曲の選定に当たっては非常に悩みましたが、イントロで最高にブチ上がってしまうtrack 1にしました。イントロが好きなものとしては他にtrack5,6,9,11ですね)。それでは聞いてください、

 

My Bloody Valentine - Only Shallow (Official Music Video) - YouTube